スパイス(香辛料)の辛さの不思議③|唐辛子について|唐辛子の旨味|辛さを和らげる方法|#012

前回は、唐辛子について、唐辛子が辛くなった経緯や、辛味成分「カプサイシン」に含まれる効能など、辛さについて書きました。さて、今回は、辛さだけではない唐辛子の旨味の部分についてと辛さを和らげる方法など調べていこうと思います。

唐辛子の辛い部分について

さて、唐辛子の品種によって辛さが異なるというのは前回書きましたが、唐辛子は全体が均等に辛いわけではないという点について書いて行こうと思います。

これは、フルーツをイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、気になっているフルーツが舌のほうが甘くなるように、唐辛子も実の先端とヘタに近い部分では、辛さが違うのです。

ちなみに、ときどき唐辛子は「種が辛い」というのを見かけますがこれは実際には種自体はそんなに辛くなく、果実の内部の隔壁(内部の仕切りのようになっている部分)と胎座(種がついている部分)この部分に辛味成分であるカプサイシンが貯蔵されており、「種が辛い」というのは、この隔壁や胎座にあるカプサイシンが付着したためです。

唐辛子をホールで使う際に、まるごと使うのか、細かくパウダー状にして使うのか、そのときに果肉部分のみを使うのか種ごと隔壁や胎座も含め全てをつかうのか、もしくは、隔壁や胎座部分のみを取り出して使うのかなど、使用する唐辛子の形状や部位によっても辛さをコントロールすることができます。

また種は食感が少し硬いので、少し面倒ですが、取り除いておいたほうが、個人的には好みです。

カレーに限らず、唐辛子の使い方一つで料理の風味や辛味、また深い旨みなどが違ってきます。

唐辛子の旨味について

ここまで、唐辛子の辛さについて書いていきましたがスパイスカレーを作る上で、この唐辛子の旨味というのは非常に大きな役割を果たします。

唐辛子に含まれる旨味成分は「グルタミン酸」です。「グルタミン酸」を多く含む食材としては、昆布や大豆や小麦粉、肉や魚、卵やチーズなどがあります。

「グルタミン酸」は、タンパク質の元となるアミノ酸の一種で、「旨味の三大成分」の一つと言われています。

唐辛子は、加熱することで「辛味」を増しますが、油溶性のため高温の油と合わせることでとても香ばしい良い香りを発生させます。

また、辛さ苦手な方やお子様用に作る場合、単純に唐辛子を抜いてしまうとこのぶぶんの旨味が抜けてしまう為、甘口の唐辛子で代用したり、パプリカやピーマン、ししとうなどで代用することで旨味を補うとうまくいきます。

また、トマトも非常に甘味が強く、唐辛子似た方向性の味わいなのでトマトをペースト状になるまで加熱して旨味を凝縮うするのも良いです。

辛味成分を和らげる方法

唐辛子の「カプサイシン」の辛味を和らげる方法として、一番有名な方法が、「牛乳」や「ヨーグルト」などの乳製品系です。これらに含まれる「ガゼイン」というタンパク質が、カプサイシンを包み込み、辛さを和らげてくれます。

この他にも、酸味の強いものや甘みの強いものなども辛さの中和には効果があるようです。レモンやグレープフルーツまたは、砂糖やジャムなどもカレーに使われますね。

さらに、苦味にも辛さをやわらげる効果があると言われているので、食後に苦味の強めの深煎コーヒーなども好まれます。ただし、熱い飲み物は辛さを増幅させるので。辛さの緩和という役割だとビターなアイスコーヒーやビターなチョコレートアイスなども良さそうですね。

ただし、私も色々な飲み物などで実験をしましたが、例えば激辛カレーを食べて口から火が出そうなタイミングで牛乳飲んだとしても、その時点で辛味成分は、舌の皮膚に浸透しているため、完全に痛みを取り去ることはなかなかできないということも知っておいたほうがいいかもしれません。

ラッシーのようなヨーグルトドリンクはもちろん、グレープフルーツジュース、個人的には深煎豆のダークチョコレートのようなビターな濃いアイスコーヒーが一番おすすめです。

牛乳やヨールグルトは激辛のものを食べる前に口に含んで置くことや、胃にいれておくことでの方が効果は高いと言えます。また、調理中の段階で辛すぎた場合には、加えることで辛さを抑えまろやかに仕上げることができます。

インドのサラダで「ライタ」という料理がありますが、この辺がまさに辛さの緩和の役割をしている感じですね。

まとめ(唐辛子の辛い部分について、唐辛子の旨味、辛さの緩和について)

今回も、唐辛子について知識が深まりより幅のあるカレー作りに役立てることができそうです。

  • 唐辛子の果実で、辛い部位は「隔壁と胎座」である。
  • 唐辛子の旨味成分は「グルタミン酸」である。
  • 辛さを抑えたい場合、唐辛子のうまみの代用には、ピーマンや、パプリカ、ししとう、トマトなどが有効である。
  •  辛さを中和させたい、和らげたいときは、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、もしくは、甘みや酸味、苦味などの成分のある物を使う。
  • 舌や皮膚に付着した辛味成分は、浸透するため、辛味を感じてから中和しようとしてもとりきれない。

あまり辛い食べ物ばかり食べるのはおすすめしませんが、程よく辛旨い食べ物は、やはり食が進みます。

TOMONORI HATAGAMI
Curry Creator

小学生の頃、湖池屋「カラムーチョ」が大好きで「ヒーヒー」いいながら、胃がいたくなっても中毒のように食べ続けてしまっていました。ちなみにカレーに「カラムーチョ」をトッピングすると美味しいです。

日付 曜日 天気 気温
2020年11月16日
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