スパイス(香辛料)の辛さの不思議|辛味について|辛さの種類|辛さの強さ

前回は、スパイスの香りについて、カレー以外でのスパイスの使われ方について調べていきました。

今回は、カレーの辛さについて調べていこうと思います。

カレーの辛さとは

まず、カレーの辛さは何よるものなのか?

以前の記事でもガラムマサラについて「ガラム=辛い」と誤訳されていたことがあるという内容がありましたが、

「スパイス=香辛料」という意味合いから、スパイシーチキンカレー=辛いチキンカレーと思われることがあります。その他にもスパイスコーヒーと聞くと辛いコーヒーだと思う人も少なくないでしょう。

辛くないカレーはカレーじゃないという方もいると思います。

やはりカレーは辛くないとしまらないというのもあるかなとは思います。

 

Google先生に「カレーの辛さ」についてきいてみました。

ここで一番に表示されたのは、江崎グリコ株式会社のホームページの「豆知識コーナー」でした。Q&A方式でこう書かれています。

Q:カレーの辛さの度合いはどうなっているのですか?

A:カレーの辛さは、唐辛子の辛み成分カプサイシンと、こしょうの辛み成分ピペリンの量で決まります。この2つの辛み成分の量により、甘口・中辛・辛口を決めています。甘口・中辛・辛口の程度はメーカーによってちがいます。

 

このように、

スパイスは日本語で香辛料と書きますが、スパイスの中で「辛味」のあるスパイスは意外にも少なく、カレーの辛さの正体は、ほぼ唐辛子とペッパーの辛さだということです。

なので、ものすごくスパイスを効かせてスパイシーなカレーを作ったとしてもほとんど辛くないカレーというのは作ることができます。

 

では一体この辛さ、「辛味」とはなんなのか?「辛味」についても少し調べてみたいと思います。

 

辛味とは

次は、「辛味とは」で検索したときに出てくるWikipediaより

辛味[1](からみ)は味を分類する概念のひとつ。日本語ではトウガラシワサビショウガサンショウなどに代表される刺激的な味を「辛味」と表現する。

 

辛味は味覚か
辛味は、料理を調理したり食べたりするに当たって、重要な味覚のひとつと考えられている。しかし生理学的定義に基づく味覚は、味覚受容体細胞にとって適刺激である苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5種(五基本味)を指しており、辛味はこれにあてはまらない。神経刺激としての辛味の核心は舌・口腔のバニロイド受容体(カプサイシン受容体)で感じる痛覚であり、これに他の条件(トウガラシであれば、発汗および発熱)が統合されたものを辛味と呼んでいる。近年、カプサイシン受容体が単離されたが、口腔内に特異的なものではなく全身に分布しており、また従来の味覚受容器とは別のものであるため、5基本味が6基本味になることはない。

まず、ここの書かれていることから、「辛味」とは、味を分類する概念の一つだと考えられているが、生理学的定義では味覚ではないということなのです。

辛味は神経刺激、すなわち「辛味」は「痛み」などと一緒で痛覚や温度覚で感じ取るものであり厳密には味ではないということでした。

ここで思うのが、辛さにはいくつかのタイプがあるというところです。

 

辛さの種類について

辛味のあるスパイスというと

唐辛子、胡椒、山椒、生姜、わさび、からしなどが思いつきます。

  • 唐辛子の辛さは、「カプサイシン」
  • 胡椒は「ピペリン」、
  • 生姜は「ジンゲロール」「ショウガオール」
  • からしとわさびは、「アリルイソチオネート」、
  • 山椒は「サンショール」

と言うように、それぞれ辛さを感じさせる成分に違いがあります。

まず、唐辛子の辛味成分はカプサイシンです。唐辛子は品種改良がしやすいこともあり非常に多くの種類があります。世界一辛い唐辛子というキーワードはとても人気のあるジャンルにもなっていますね。

この、カプサイシンの含有量が割合が多いものほど辛く、スコヴィルという単位で表されます。現時点では、世界一辛いとされている品種は「ドラゴンズ・ブレス」2017年にそれまで世界一だったキャロライナ・リーパーを抜いて世界一の辛さに認定された唐辛子です。スコヴィル値は250〜300万という値です。ちなみに普通の一般的な唐辛子のスコヴィル値は、4〜5万程度となっています。

想像するだけでも痛々しいですね。

唐辛子の辛味成分「カプサイシン」は発汗作用があり、体を温める効果があります。しかし、この「カプサイシン」は一時的に体温を上昇させ発汗を促しますが10分ほど経過すると逆に体温が下がると言われています。
また、カプサイシンの発汗作用は、発熱によるものではなく脳似直接発汗を促す作用がある為、体温が低下している上でさらに発汗することで体温を更に下げる効果があります。

真夏に辛いカレーが食べたくなるのはこういった効果を期待できるためですね。

体を温めるには、胡椒の「ピペリン」やショウガの「ショウガオール」が有効です。夏には唐辛子たっぷりの発汗カレーが冬には胡椒とショウガで体の中からポカポカのカレーがおすすめですね。

山椒の「サンショール」にも発汗作用があり、体を温めてくれますが、山椒は舌がしびれるような独特の特徴もあります。

また、ここまでの辛味成分はどちらかというと熱に強い辛味成分ですが、わさびやからしの「アリルイソチオネート」は熱に非常に弱い辛味成分となっています。特徴は鼻に抜けるツーンとした感覚です。

辛さには、このような特徴がありカレーに使われる主な辛味成分としては「唐辛子」と「胡椒」が一般的であると言えます。

 

辛味、辛さの種類、辛さの強さについてのまとめ

今回は、カレーの辛さについて調べてみました。

  •  辛味は、味覚ではなく痛覚や温度覚である。
  • スパイスの種類で辛味があるものは以外にも少ない。
  • カレーの辛さには「唐辛子」「胡椒」が使われる
  • 辛さの種類にはそれぞれ辛味成分に違いがありそれぞれの特徴がある。
  • 唐辛子の辛さの単位はスコヴィル値といい、カプサイシンの割合で決まる。
  • 唐辛子には体を冷やす作用があり、体を温めるときは胡椒や生姜が効果的である。

カレーの辛さが、メーカーやお店によっても基準がバラバラなのは、まず第一に辛さの感じ方には個人差があるというところが大きいと思います。ちなみに辛さは痛覚ということですが、食べれば食べるほどではないですが、段々と辛さに慣れることで更に辛い刺激を求めてしまうという依存性もあるそうです。

辛いのが苦手だと言う方は、もともと粘膜が弱いとかもあるかもしれませんが、少しずつ辛いものに慣れていくことで鍛えることもできるようです。ある程度辛いカレーが食べられるようになるとカレーの世界が広がるのは間違いないと思います。

TOMONORI HATAGAMI
Curry Creator

カレー屋さんをはじめて一番悩んだのが標準の辛さの設定でした辛さは味にもかなり影響があるので、安易に辛くないカレーにすると味がぼやけてしまうが、ちょっと辛すぎると食べられない人がいるというのが難しいのです。

日付 曜日 天気 気温
2020年11月21日
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